遺伝子組み換えとは

遺伝子組み換え作物

ある特定の性質を作るために、他の生物の遺伝子の一部を切り取り組み込む操作をされた作物のことです。
例えば、除草剤耐性の性質を持った細菌の遺伝子を、大豆などの作物の遺伝子に組み込んだものが遺伝子組み換え作物です。
殺虫性のトウモロコシもあります。虫が食べて死ぬトウモロコシ、私たち人間が食べても本当に安全なのでしょうか。
生産効率を上げるために開発された新しい技術ですが、その安全性や人・環境への影響は未だわからないことが多くあるのです。

実験で分かった遺伝子組み換えの恐ろしさ

イリーナ・エルマコヴァ博士が2006年に発表したマウスの実験では、遺伝子組み換え大豆を食べ続けた雌のマウスが産んだ子供のマウスに同じ大豆を食べさせた結果、高い確率で発育不良が認められたそうです。
また、生後3週間までの新生児死亡率は、非遺伝子組み換え大豆を食べたマウスが9%だったのに比べ、遺伝子組み換え大豆を食べたマウスはなんと55.6%にも上ったそうです。

マウスと人間が同じ結果になるわけではないとは思います。
ただ同じ哺乳類として無視できる結果ではないはずです。

遺伝子組み換え作物を作る過程にも問題が

遺伝子組み換え食品には、強力な除草剤に耐えられるように操作されたものがあります。
作物を残し、雑草や害虫だけを容易に除去するためです。
アメリカを始め広大な農地で大量の農産物を生産する地域では、除草剤などの農薬の空中散布が行われています。
その除草剤の空中散布が行われているアルゼンチンで遺伝子組換え大豆の栽培が本格化したのは2000年。
その2年後から、ガン、不妊、死産、流産、そして出生異常が急速に増えてきたといいます。
大豆栽培の盛んなイトゥザインゴ地方では、ガンがアルゼンチン平均の41倍も発生し、白血病、肝臓病、アレルギーなど深刻な病気が報告されています。

知らないうちに食べている?

アメリカ産の大豆の約94%、トウモロコシの約88%は遺伝子組み換えで作られていることを知っていますか?
そして日本に家畜飼料・食用として大量に輸入されていることも知っていますか?
日本の大豆の自給率はわずか約7%、トウモロコシは0%です。
そしてアメリカからの輸入率は大豆約70%がトウモロコシは約95%にも上ります。
つまり日本にアメリカ産の遺伝子組み換え食品が大量に輸入されていることが分かります。

おどろく

私は、遺伝子組み換え作物なんてまだできたばかりで、ほんの一部しか作られていないと思い込んでいました。
ほとんどが従来の作り方で作られているはずだからそんなに簡単に口には入らないだろうと…。
だからこの数字にはびっくりしました。

アメリカのトウモロコシはそのままの形としてだけでなく、ポップコーン・コーンスターチ・でんぷん・コーンコーンフレークやスナック菓子の原料として・コーンシロップや果糖、ブドウ糖・コーン油や菜種油として・牛や豚の飼料として日本でもたくさんの食品に使われています。
トウモロコシの形が見えなく食品の原料として・食品の飼料として使われていると無意識に摂取している可能性があります。
家畜の輸入飼料のほとんどが遺伝子組み換えのものです。
牛は肉だけでなく、牛乳で作られたヨーグルトやアイスにも注意が必要です。

遺伝子組換え作物は品種改良とは異なり、複数の異なる生物の遺伝子を人工操作し、自然界に存在しなかった作物に作り変えたもの。 
その私たちへの健康被害は今だ未知数・・・それが現実です。 
今、世界で遺伝子組み換え作物は問題視されており、どうしても規制の緩い日本に集まっているのが現状です。 
知らず知らずのうちに私たち日本人は世界で一番多く、遺伝子組み換え作物を食べているのです。

日本の現在の法律の穴

・ 主な原材料(原材料の重量に占める割合が上位3番目以内)にしか表示義務がなく、含まれる量が5%未満であれば「非遺伝子組み換え」と表示できます。 
・組み換えDNA、およびそれによって生成したたんぱく質が残らないものにも表示義務がなく、油や醤油などは遺伝子組み換え作物の使用は表示されません。

現在の遺伝子組み換え食品表示制度は、買い物をする消費者が遺伝子組み換えかどうかを判断できないという欠陥を抱えています。
義務表示品目と任意表示品目では「表示なし」の意味が逆なので、義務品目を丸暗記しなければ店頭で判断できないからです。

例えば、義務表示品目の豆腐の表示なしは「遺伝子組み換えではない」を意味しますが、
任意表示品目のサラダ油の表示無しは実質的に「遺伝組み換え不分別」(つまり混入)または「遺伝子組み換え」を意味します。

生活クラブの遺伝子組み換え対策

生活クラブ連合会は、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」に集う他の生協や市民団体とともに、ストップ!遺伝子組み換え(GM)作物・食品のためのさまざまな活動に取り組んでいます。
・生き物や環境に悪影響を与える遺伝子組み換えを認めません。
・食品・飼料・添加物においても取り扱いません。
・やむを得ず使用する場合は情報を公開します。
残る課題は微量原材料のみとなっています。

これまでの活動の結果、国内での遺伝子組み換え作物の商業栽培にはストップをかけることができています。
しかし、表示制度の欠陥のために、多くの人がそうとは知らずに、加工食品(原料)の形で遺伝子組み換え作物・食品を口にしてしまっています。
現在、日本で使われているなたね油原料の約6割が遺伝子組み換えナタネといわれています。
生活クラブでは、遺伝子組み換え原料は一切使用せず国産ナタネ5%を配合したなたね油を、油としてはもちろん、加工食品の原料にも多く使用しています。